こんにちは。通信工事とネットワーク設定のプロフェッショナル、チュウセツシステムです。
「電気代の高騰が止まらないが、サーバーを守るために空調は止められない」「デマンド値を超えないように常に監視するのは限界がある」そう悩むことはありませんか? ICT施設の運営において、機器の安全とコスト削減の板挟みになっている施設長様は非常に多いものです。
実は、最新の「デマンド制御」を導入することで、快適性やサーバーの安全を犠牲にすることなく、自動的に電気代の基本料金を下げることが可能です。
そこで今回は、デマンド制御の仕組みから、手動監視と自動制御の違い、主要メーカーの対応状況や導入費用までを分かりやすく解説します。
■30分が勝負!電気代が決まる仕組み

法人契約の電気料金において、毎月の請求額を大きく左右するのが「基本料金」です。この基本料金は、私たちがどれだけ電気を使ったか(使用量)ではなく、「瞬間的にどれだけ多くの電気を必要としたか」というピークの大きさで決まります。
・デマンド値と空調の密接な関係
電気代の明細書で「最大需要電力(デマンド値)」という項目を目にしたことはあるでしょうか。これは「30分間」の平均使用電力を指します。電力会社との契約では、過去1年間(当月を含む)の中で最も高かったデマンド値が、そのままその月の契約電力(kW)として採用されます。
これを通信回線に例えるなら、データ通信量(ギガ数)ではなく、「回線の太さ(帯域)」で課金される仕組みに似ています。
特にICT施設やオフィスビルにおいて、このデマンド値を跳ね上げる最大の要因が「空調機」です。夏の暑い日の昼過ぎ、外気温の上昇とともに全館のエアコンが一斉にフル稼働すると、電力消費は急激なピークを迎えます。
・ピークカットで基本料金を下げる
電気代削減の鍵は、この突出した30分間の山を削り取る「ピークカット」にあります。全体の総使用量を減らすのではなく、デマンド値が目標値を超えそうになったタイミングだけ、一時的に機器の出力を抑える手法です。
ここで重要になるのが空調のデマンド制御です。照明やサーバー機器は安全上の理由から勝手に停止させることは困難ですが、空調設備は熱容量(室内の空気や壁が持っている温度)があるため、短時間の送風運転や出力抑制を行っても、急激に室温や快適性が損なわれることはありません。
デマンドコントローラーなどの制御システムを活用し、デマンド値が更新されそうな危険な30分間だけ、空調の室外機を自動でコントロールする。これにより、サーバー室の安全や執務環境の快適性を維持したまま、契約電力(kW)を物理的に引き下げ、基本料金の確実なコスト削減を実現できるのです。
■「監視」で切るか「制御」に任せるか

多くの施設では、警報が鳴ったら人がエアコンを消す「監視」から対策を始めます。しかし、24時間稼働の現場や人手不足の現状において、人力での対応には限界があります。システムによる「自動制御」がなぜ選ばれるのか、その違いを見ていきましょう。
・手動によるデマンド監視の限界
従来型のデマンド監視装置は、電力の使用状況を常時チェックし、目標値を超えそうになると警報(アラート)で通知する仕組みです。しかし、これには常に「人の手」が不可欠です。夜間や休日、あるいは担当者が別のトラブル対応中で操作が遅れれば、その瞬間にデマンド値は超過し、年間の基本料金が上がってしまいます。
また、焦って手動操作を行う現場では、本来止めてはいけないサーバールームや重要設備の空調を誤って停止させてしまうといった人為的ミスのリスクも排除できません。「通知が来てもすぐに対応できない」という運用上の課題が、コスト削減の壁となるケースは非常に多いのです。
・自動制御システムによる快適省エネ
一方、デマンドコントローラーを用いた自動制御システム(デマコン)は、予測に基づいて機器が自律的に調整を行います。人間がスイッチを切りに走る手間は一切かかりません。
「制御=強制停止」とイメージされがちですが、近年のシステムは非常にスマートです。単に電源をバツンと切るのではなく、室外機の圧縮機(コンプレッサー)を一時的に止めて「送風」運転に切り替えるなど、室内の空気を循環させながら消費電力だけを抑えます。
・室温を見守る賢いコントロール
さらに進化したシステムでは、室温センサーと連動した賢い制御が可能です。「デマンド値が上がりそうだから全台一律に止める」という乱暴な制御ではありません。「現在22℃で十分に冷えている会議室の空調は弱めるが、熱負荷が高まっているサーバー室は稼働を優先して維持する」といった判断を自動で行います。
特にICT施設のようにエリアごとの熱の発生状況が異なる環境では、室温監視型の制御を導入することが重要です。これにより、機器の熱暴走リスクを回避しつつ、無駄な電力消費だけを精密に削減する効率的なエネルギー管理が可能になります。
■主要メーカー対応と導入費用の目安

現在設置されている業務用の空調設備であれば、ダイキンや三菱電機、日立をはじめとする国内主要メーカーのほとんどの機種で、デマンド制御に対応可能です。多くの場合、室外機には外部から制御信号を受け取るための接続口があらかじめ用意されています。
・ダイキンや三菱等の対応状況
パッケージエアコンと呼ばれる業務用の空調機には、基本的に「デマンド入力」という機能が備わっています。制御システムから信号線を接続することで、「強制停止」や「室外機の出力を80%に抑える」といったコントロールが可能になります。
ただし、古い機種や家庭用ルームエアコンを転用している場合、あるいは集中管理システムが未導入の場合には、別途「デマンドアダプタ」と呼ばれる中継機器の取り付けが必要になることがあります。
・デマンドコントロールの価格感
導入費用は、制御したいエアコンの台数や、配線工事の難易度によって変動します。システム本体(親機)に加え、空調機ごとの制御ユニット(子機)、そしてそれらをつなぐ通信線や電源の工事費が必要です。
一般的に、削減できる電気料金(基本料金の低減分)によって、2年から3年程度で初期投資を回収できるケースが多く見られます。有線接続ではなく無線通信タイプの子機を選べば、配線工事の負担を減らし、工事費を安く抑えることも可能です。
・補助金活用で導入コストを抑える
国や自治体は、CO2削減や省エネ推進のために様々な補助金制度を用意しています。「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金」などが代表的ですが、デマンド監視装置や制御システムの導入が補助対象となるケースは少なくありません。
■ネットワーク連携で賢くコスト削減

単にエアコンを制御するだけでなく、社内LANやインターネットを活用して「見える化」と「遠隔操作」を実現するのが、現代のICT施設におけるスタンダードです。通信インフラのプロが推奨する、スマートな運用方法をご紹介します。
・ICT施設に最適なスマート制御
従来のデマンド制御は専用の信号線を張り巡らせる必要がありましたが、近年はWi-Fiや既設の社内LANを活用できるシステムが増えています。ネットワーク構築を得意とする会社であれば、サーバールームや執務エリアのネットワーク環境に負荷をかけず、セキュアに空調制御用の通信網を構築できます。
これにより、管理PCの画面上でリアルタイムの電力量(デマンド値)や各エリアの室温をグラフで確認できるようになります。「いつ、どこで、電気が無駄に使われているか」が可視化されるため、データに基づいた効率的なエネルギー管理が実現します。
・既存空調への後付け工事も可能
「最新のシステムを入れるには、エアコンごと買い替えないといけないのでは?」という心配は無用です。IoT対応のコントローラーを後付けすることで、10年前に導入した古いエアコンであっても、最新のAI制御システムの一部として組み込むことが可能です。
赤外線リモコンの信号を学習させるタイプや、室外機の基板に直接接続するタイプなど、現場の状況に合わせた施工方法があります。大規模な改修工事を行わずにスマートビル化できる点は、テナントビルや既存施設にとって大きなメリットです。
・遠隔操作で管理の手間をゼロへ
ネットワーク連携の最大の利点は、どこからでも空調管理が可能になることです。クラウド型のシステムであれば、施設長は自宅や出張先からでも、スマホやタブレットを使って現在のデマンド値や室温を確認できます。
もし消し忘れがあればその場でOFFにできますし、休日の急な出社で空調を使いたい場合も、遠隔で操作制限を解除できます。わざわざ現地に行ってスイッチを操作する必要がなくなり、管理の手間と人件費を大幅に削減できるのです。
■まとめ
電気代の高騰対策において、空調のデマンド制御は最も確実で効果的な投資です。特に24時間365日の安定稼働が求められるICT施設では、人の手による監視には限界があり、リスクも伴います。 システムによる自動制御なら、サーバー室の熱対策やオフィスの快適性を損なうことなく、確実にピーク電力を抑えることが可能です。
我慢してスイッチを切る「守りの節電」から、テクノロジーで無駄を省く「攻めの省エネ」へ。空調管理の自動化は、経費削減だけでなく、貴施設のスマート化を加速させる大きな一歩となるはずです。
■空調制御・通信ネットワーク工事はチュウセツシステムへ

私たちは通信工事とネットワーク設定のプロフェッショナルとして、お客様の施設環境に最適なデマンド制御システムをご提案します。
単なる機器の設置にとどまらず、社内LANとのセキュアな連携や遠隔操作の設定、複雑な配線工事までワンストップで対応できる点が強みです。
「既存のネットワークに負荷をかけたくない」「工事中もサーバーは止めたくない」といったICT施設特有の懸念点も、専門的な知見から解決いたします。
まずは現状の電気使用状況から、どれくらいのコスト削減が可能かシミュレーションしてみませんか?現場調査や試算は無料ですので、まずはお気軽にご連絡ください。
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